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団結しよう!キヤノン被解雇者のアピール [不当解雇との闘い]

091101.jpg皆さん。私はこの夏までキャノン化成つくば工場で働いていた非正規労働者の1人です。7月31日に工場を雇い止めされ、現在は失業者です。失業してからハローワークに何度も通いましたが、いつもハローワークは職を求める人でいっぱいです。この前の職業相談の時も、1時間も待たされました。
 話によれば雇用促進住宅──これは解雇されて会社寮を出なければならない労働者のために、国が用意した住宅ですが──どこも空き部屋が無く、希望者が順番待ちをしている状態です。ところがこの厳しい不況ですし、入居者は40代・50代と高齢の労働者が多いため再就職も難しく、なかなか部屋が空きません。
 私はハローワークが勧める職業訓練に応募しました。3ヶ月間、訓練を受ければ介護職への就職に必要な、ホームヘルパー2級の資格を取ることが出来ます。ところがこの定員がたったの30名、そこへなんと80名の応募があったのです。倍率2.7倍、たいへんな競争率です。
 私を雇い止めした会社、キャノン化成本社つくば工場についても話しましょう。この工場はつくば市茎崎にある工場です。言わずと知れたキャノンの子会社です。キャノンのトップは、今は経団連会長の椅子に座っている御手洗富士夫。昨年、大分県の悪徳業者に20億円ものリベートを支払った、あの男です。
つい去年まで、キャノン化成つくば工場は、世界一の工場と名乗っていました。この工場はコピー機のトナーカートリッジを作る工場で、その生産数が世界一だったからです。
 ところが現在、この世界一の工場だったキャノン化成は見る影もありません。昨年のリーマンショックで、トナーの生産数はガタ落ちになりました。トナーの輸出先はアメリカとヨーロッパ、その2つの輸出先で、景気がどん底に落ちたからたまりません。製品を作ってもまるで売れません。
 1日の生産数が半分になる、あるいは丸一日、ラインが動かない。そういった状況が続いた挙句、今年の3月になって非正規労働者の大量解雇が行われ、ついに7月には工場で働く非正規労働者の全員が解雇されました。私の働いていた職場、400人の非正規労働者が働いていたラインも丸ごと無くなってしまいました。
 私の職場だけで400名の大量解雇、工場全体ではどれほどの数になるのでしょう?
 日研総業、平山、国際PR、マリーナ産業、スリーエムスタッフ、丸徳、ハリガイ工業など、つくば工場には10社にものぼろうという派遣・請負会社が入っていました。それが全部、契約を打ち切られ、非正規労働者は雇い止めされてしまったのです。
 ところがこれほどの雇い止めが行われたにも関わらず、テレビや新聞ではまるでニュースになりません。ですが、これが不況の現実です。ニュースにならないところで不況はどんどん深刻化しています。
 工場で私はキャノン化成の正社員が、掃除道具を持って廊下を歩いている姿を目にしたこともあります。正社員でさえも仕事がないのです。だから掃除をさせられていたのです。工場内の給茶機はもはやお茶が出ません。出るのはお湯と水だけです。トイレのジェットタオルも電源を切られました。この有様は、まさに倒産寸前の会社です。来年になれば工場が無くなってしまうのではないか、そういう噂も飛び交うほどです。
 そして親会社のキャノン、ホームページをチェックすれば分かることですが、8月に出された中間報告では純利益が去年の2割以下にまで落ち込みました。あのキャノンでさえ、去年の2割以下しか利益を出せていないのです。凄まじい不況です。
 その打撃を最も受けるのは誰か? それは労働者ではありませんか?
 恐らくキャノン化成では今、正社員の切捨てが進行中のはずです。月給やボーナスをどんどんカットし、成績の悪い正社員、ノルマを達成できない正社員をどんどん辞めさせる。それでも利益を出せなければ、工場そのものを潰してしまう。
 不況なんだから仕方がない、切捨てやすいところから切り捨てよう、そして少しでも利益を出そう、赤字を減らそう、株主への受けを良くしよう、それが会社の態度です。底辺で会社を支える労働者のことは、まるで省みられません。労働者を切り捨ててでも会社が生き残ればいい、それが経営者の考えです。
 工場を辞める数日前、私は以前に同じ職場で一緒に働いていた正社員の方と顔を合わせました。
「久しぶりだね。今、どうしてるの?」
 向こうが聞いてきたので、
「実は雇い止めに遭ってしまい、月末で退職するんですよ」
 そう答えると、向こうは驚いていました。
「ええ!? 本当なの!?」
 同じ工場で働いているというのに、正社員は非正規労働者がどういう立場にあるのかまるで知らなかったのです。職場が違うと、そこで働く非正規労働者のことが分からなくなってしまうのです。そういう労働環境を作ってきたのがキャノンです。利益を上げることを最優先し、正社員と非正規労働者の間に壁を作って分断してきた、その結果がこれです。
 こんな話がありますか? こんなことに黙っていられますか? 黙っていられないから、私はここに立って喋っているのです。
 先日、私は動労水戸の応援で、白河にあるJRの研修センターに出向き、門の前でシュプレヒコールを上げてきました。
「違法企業JRは謝罪しろ!」
「JRは組合破壊をやめろ!」
「JRは最高裁の決定に従え!」
 そして私はキャノンに対しても言いたい。
「キャノンは企業責任を果たせ!」
「株主の顔色をうかがう前に、労働者の雇用を保証しろ!」
「20億円のリベートを払う金があるなら、その金を労働者のために使え! その金を雇用対策に回せ!」
 皆さん、不況はこれからますます酷くなるでしょう。もはや会社には頼れません、いや国にだって頼り切ることはできません。だから労働者同士、自分の力で立ち上がり、団結する以外に無いじゃありませんか。ですから私は・・今は失業者ですけれど・・これからも労働者として戦っていきます。皆様、これからもよろしくお願いします。
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